「我が心の歌」〜人生を辿る8曲の自作作品!~
私には、これまでの人生の折々に作曲した、自作の楽曲があります。
独唱曲、合唱曲、器楽曲の合わせて8曲で、
各曲は約1分から5分の小さな作品です。
本来、本格的な作曲に必要な
和声楽や楽式論などの高度な知識を用いた曲ではありませんが、
音楽大学の授業で学んだ作曲の基礎の上に、
私の専門であるチェロや、ピアノの演奏、合唱指導・指揮などの経験を生かし、
持ち前の情熱で作り上げた作品です。
音楽に携わって歩んできた人生の中で、
情感がほとばしった瞬間、
思わずメロディがあふれ出していた、というのが正直なところです。
先日、これらの作品を、何気なく取り出して、
第1作目の、私が19歳の時の作品から、
久しぶりに、順を追ってピアノで奏でてみたのです。
思えば60年も前からの作品ですが、
今なお、まさに、その時々の情景が脳裏に蘇り、胸が熱くなりました。
そこで、
本棚にしまい込んでいたこれらの作品を、
ひとつの形にまとめ、
「自作曲集」として作成してみたいとの思いに至りました。
時間を見つけてはパソコンに向かい、
楽譜の作成ソフトに音を打ち込んでいきます。
今の時代は、このソフトがあれば、
家庭で市販の楽譜と同等のものが作れる便利な時代になりました。
しかも、打ち込んだ音を、色々な楽器の音で再現することも出来るのです。
地道な作業ではありましたが、
まるで人生の足跡を辿るかのようでもあり、どの作品にも深い感慨を覚えます。
作品数は僅かながら8曲、それぞれ小さな作品ですが、
私には「我が心の歌」として、誠に愛おしく思えるのです。
こうして出来上がった「自作曲集」の作品を、
当音楽教室ホームページのブログ記事にて、ご紹介させていただきます。
毎回、自作曲を1曲ずつ、
演奏(PCでの再現音)に解説を添えて、お届けする予定です。
どの作品も、
皆さまにお気軽にお聴きいただける作品ですので、
是非、お楽しみ下さい。
音楽にいそしむことの喜びをお伝えできれば、嬉しく存じます。
第3回目のご紹介は、1968年8月作曲「ひびけ歌声」です。
【作曲ノート】
1967年(昭和42年)10月、
当音楽教室の生徒さんのお母様からのご要望により、
お母様方で構成される女声合唱団「千里丘カナリア・コーラス」を創設しました。
教室から徒歩5分、ごく近くの吹田市千里丘の山二地区公民館を練習会場に、
創設当初から47名ものお母様方が集まり、賑やかなスタートとなりました。
いわゆる「ママさんコーラス」は、現在でこそ全国的に大きく広がり、
活動の場も多くなりましたが、当時はまだ、
お母様方による合唱団は、めずらしい存在でした。
後に「全日本おかあさんコーラス全国大会」の第1回目が開催されたのが、
11年後の1978(昭和53)年ですから、
「カナリア・コーラス」は、まさに、
おかあさんコーラスの先駆けとしてスタートしたのです。
間もなく、同じく千里丘に所在があった毎日テレビ放送局(後に移転)から、
朝のワイド番組「ファミリースタジオ」に出演、演奏の依頼が舞い込みました。
発足から僅か9か月、しかも、初舞台がテレビ出演!
思いもかけない晴れ舞台にメンバー一同は大喜びです。
私も、記念すべき初舞台での演奏曲は、
私自身の作曲でと奮起し、直ちにピアノに向かいました。
すると、瞬く間に歌詞とメロディが出来上がり、
嬉しくも人生初の合唱曲の誕生となりました。
テレビ出演当日は、緊張感と高揚感が高まる中で、
ビギンのリズムに乗った爽やかな歌声が響きわたり、
無事、初舞台を終えることが出来ました。
時に私は25歳、メンバーは歌うことが大好きなお母様方。
この後、ちょうど日本の高度成長期と重なるように、
「ママさんコーラス」は発展していきます。
お母さんが歌うと言えば、
【子どもと一緒か、家事をしながら口ずさむ】だった時代から、
お母さんも【積極的に外へ出て、一緒に歌う仲間を得て、練習をし、発表をする】ことで、
家庭の他にも人生に楽しみを持ち、
それが家庭にも潤いをもたらす時代へと移り変わっていきました。
当合唱団も、1974年に大阪府合唱連盟に加盟、
1987年に新設間もない吹田市文化会館〈メイシアター〉に拠点を移し、
団名も「カナリア・コーラス」と改め、さらなる活動を目指しました。
以来、「カナリア・コーラス」は、私の指導、妻のピアノ伴奏の下に、
50年有余の長きにわたり活動を継続し、
「全日本おかあさんさんコーラス全国大会」の出場2回(大阪府代表として)、
コンサートの開催8回(「阪神・淡路大震災チャリティーコンサート」ほか)、
関西合唱コンクールの出場9回
(一般の部:銀賞2回ほか、おかあさんコーラスの部:1位2回、入賞7回)、
ブルガリア、ウィーン、ベルリン3度の海外演奏旅行、
合唱曲の作品委嘱と初演、プロとの共演、ボランティア活動等々、
また、全日本、関西、大阪府の各合唱連盟、大阪府、吹田市からの表彰など、
数々の輝かしい実績を残しました。
「ひびけ歌声」は、まさにその第一歩を飾った、
私とメンバー一同の夢と希望をのせた歌です。
ひびけ歌声
作詞:梅谷邦彦
1)
そよ吹く風に ひびけ歌声
緑さわやか 小鳥もさえずる
リズムは踊る ラララ はずむ心に
歌えや舞えや ラララ 輪をつくり
大きな夢を 高らかに
讃えや歌え 力強く
若き日の歌声 いつまでも
2)
水面に光る 空の青さよ
空飛ぶ鳥は 大空を目指す
リズムは踊る ラララ はずむ心に
歌えや舞えや ラララ 輪をつくり
大きな夢を 高らかに
讃えや歌え 力強く
若き日の歌声 いつまでも
では、今後の掲載予定を少し先取りして、お知らせします。
第4回予定
チェロ曲「ロマンス」(1963年8月作)
音楽大学の2回生の折に、同大学に在学する、ある女性に贈った作品。
彼女の心に、「愛の歌」が届いたのでしょうか、次回にご期待下さい!
第6回目予定
歌曲「祝婚歌」(2022年7月作)
初孫の結婚を祝し、贈った作品です。
曲を聴いた孫の希望で、結婚披露宴のBGMとして流し、
結婚に花を添えることができましたことは、幸いです。
ご紹介予定
第4回:「ロマンス」(チェロ曲)
第5回:「感傷的なワルツ」(ピアノ曲)
第6回:「祝婚歌」(歌曲)
第7回:「さようなら そして ありがとう」(合唱曲)
(自作8曲中のバイオリン曲は、省略させていただきます。)
前回までの公開作品
第1回:「すずらん」(歌曲)
第2回:「ぼくはピアニスト!」(歌曲)