「我が心の歌」〜人生を辿る8曲の自作作品!~
私には、これまでの人生の折々に作曲した、自作の楽曲があります。
独唱曲、合唱曲、器楽曲の合わせて8曲で、
各曲は約1分から5分の小さな作品です。
本来、本格的な作曲に必要な
和声楽や楽式論などの高度な知識を用いた曲ではありませんが、
音楽大学の授業で学んだ作曲の基礎の上に、
私の専門であるチェロや、ピアノの演奏、合唱指導・指揮などの経験を生かし、
持ち前の情熱で作り上げた作品です。
音楽に携わって歩んできた人生の中で、
情感がほとばしった瞬間、
思わずメロディがあふれ出していた、というのが正直なところです。
そこで、
本棚にしまい込んでいたこれらの作品を、
ひとつの形にまとめ、
「自作曲集」として作成してみたいとの思いに至りました。
時間を見つけてはパソコンに向かい、
楽譜の作成ソフトに音を打ち込んでいきます。
今の時代は、このソフトがあれば、
家庭で市販の楽譜と同等のものが作れる便利な時代になりました。
しかも、打ち込んだ音を、色々な楽器の音で再現することも出来るのです。
地道な作業ではありましたが、
まるで人生の足跡を辿るかのようでもあり、どの作品にも深い感慨を覚えます。
作品数は僅かながら8曲、それぞれ小さな作品ですが、
私には「我が心の歌」として、誠に愛おしく思えるのです。
こうして出来上がった「自作曲集」の作品を、
当音楽教室ホームページのブログ記事にて、ご紹介させていただきます。
毎回、自作曲を1曲ずつ、
演奏(PCでの再現音)に解説を添えて、お届けする予定です。
どの作品も、
皆さまにお気軽にお聴きいただける作品ですので、
是非、お楽しみ下さい。
音楽にいそしむことの喜びをお伝えできれば、嬉しく存じます。
作詞・作曲:梅谷邦彦
第6回目のご紹介は、2022年7月作曲 歌曲「祝婚歌」です。
【作曲ノート】
2022年7月、東京近郊に住む、私共夫婦の初孫が結婚式を挙げることになり、
妻と共に上京しました。
当時、世界を揺るがした新型コロナウイルスの流行もほぼ治まり、
延期になっていた孫の結婚式が、ようやく行われた次第です。
挙式に参列し、新郎となった孫の晴れ姿を目の当たりにすると、
幼い頃のことが走馬灯のように思い出され、胸に熱いものが込み上げてくるのでした。
今も記憶に残ることは、初孫の出産時のエピソードです。
娘は結婚後、仕事の関係で東京近郊に在住していましたが、
出産のために、一時、戻ってきておりました。
その折、私共は、指導する「吹田混声合唱団」の初めての海外演奏旅行に向けて、
準備も大詰めを迎えていました。
演奏旅行は、1995年8月13日から8日間の日程で、
訪問先はオーストラリア、参加者は総勢73名です。
公演は、ひとつは、我が吹田市と友好都市を結ぶ、
バンクスタウン市の市制100周年に招かれ、同市混声合唱団とのジョイントコンサートに、
さらには、世界に名高いシドニーのオペラ・ハウスで「日豪親善演奏会」に出演します。
初孫の出産予定日は、演奏旅行中と重なっていたため、
帰国後すぐに初孫との初対面、となる予定でオーストラリアに向けて出発しました。
幸いにも、当合唱団初の海外公演は大成功を収め、喜びもひとしおでしたが、
娘から、無事出産の一報が入らず、気がかりなまま帰路につきました。
出産の兆候が全くないまま、予定日を1週間も過ぎていたのです。
それが何と!
帰国するやいなや、翌朝、娘が急に産気を催したので、
慌ただしく病院へと連れていき、出産に付き添うことになったのです。
こうして私共が見守る中、無事に、大きく元気な男子が誕生しました。
それはまるで、初孫が、私共の帰る日を知っていたかのようでした。
「ジジババの帰りを待って、生まれてきてくれた!」
と、初孫誕生のエピソードは、今も語り草になっています。
2年後には初孫に弟ができ、毎年夏休みとお正月に、
家族4人で我が家に滞在してくれることが、私共の楽しみとなりました。
妻も、初孫を大変可愛がり、電車が好きな孫のために、
滞在中は毎日、最寄りの「千里丘駅」に連れていき、長い時間、一緒に電車を眺めました。
千里丘駅には、色々な種類の特急電車や貨物列車が通るため、
孫は大はしゃぎで、なかなか帰ろうとはしないのでした。
そんな楽しい時間も瞬く間に過ぎ、
孫たちが中学生になり忙しくなると、こちらに滞在することが難しくなったので、
孫たちに会うために、私共が上京するようになりました。
高校、大学と進学するにつれ、ますます会う機会が限られるようになり、
孫も、我が子と同じで、成長を嬉しく思う反面、寂しくも感じていたところ、
結婚の知らせが届きました。
初孫はいつの間にか、立派に結婚式を挙げるまでに成長していたのです。
人生第2の出発点に立ち、新たな家庭を築いていく新婚二人に思いを馳せ、
祝福と激励を込めて、「祝婚歌」と題した歌を作り、贈りました。
曲は拙いながらも、ロマンチックな曲調で、
歌詞に2人の名前を加え、曲の終わりに教会の鐘を模した音を入れるなど考慮しました。
曲を聴いた孫の希望により、結婚披露宴のBGMとして流し、
皆様にご披露することが出来ました。
自作「祝婚歌」が、初孫の結婚式に花を添えられましたことは、まことに幸いでした。
その後、娘は夫婦で大阪に帰郷し、
以来、当教室の講師として、生徒さんのレッスン指導にあたっています。
孫たちは、引き続き東京におります。
遠方からながら、常々、何よりも孫たちの健康と幸せを心より願っています。
歌曲「祝婚歌」
作詞:梅谷邦彦
1
夜空に輝く星のように
ふたりの愛は光り満ちている
広い世界でめぐり逢えた
この歓びを胸にいつまでも
ララララ・・・・・
2
久保遼くん 早紀子さん
ふたりは今永遠(とわ)にかたく結ばれた
力あわせて生きてゆこう
ふたりの人生 愛する人生
ララララ・・・・・
作詞・作曲:梅谷邦彦
※BGMによる使用を考慮し、伴奏ピアノの音色を変えています。
自作曲集「我が心の歌」と題した自作曲を、
当音楽教室ホームページのブログ記事にて、
毎回、1曲ずつ、演奏(PCでの再現音)に解説を添えて、お届けしてきました。
我が音楽人生を辿る自作曲のご紹介は、いよいよ次回が最終回となります。
最終回ご紹介予定
第7回:「さようなら そして ありがとう」(合唱曲)
(自作8曲中のバイオリン曲は、省略させていただきます。)
前回までの公開作品
第1回:「すずらん」(歌曲)
第2回:「ぼくはピアニスト!」(歌曲)
第3回:「ひびけ歌声」(合唱曲)
第4回:「ロマンス」(チェロ曲)
第5回:「感傷的なワルツ」(ピアノ曲)