64年前の感動が蘇る!チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 来日公演

珠玉の音を求めて

過日、4年ぶりに来日した東欧の名門
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会に行ってまいりました。

クラシック愛好家なら誰もが知るチェコ・フィル(通称)ですが、
創立は今から127年前に当たる1896年。
その創立公演を飾った指揮者は、祖国が生んだ最大の作曲家
アントン・ドヴォルザーク!(1841~1904)

以来、東西冷戦の険しい時代を経て、
歴代の優れた指揮者の下に、
世界屈指のオーケストラとして今日に至っています。

11月3日(祝)、まさに文化の日にふさわしい演奏会とばかりに、
私共夫婦は朝から胸を弾ませておりました。
そして、開演午後3時、大阪市内のザ・シンフォニーホールへ。

演奏会の曲目は、
すべて、ドヴォルザークの作品。
チェコ・フィルがまさにお家芸とする
ドヴォルザークの、オール・プログラムです。

第1部
シェイクスピアの「オセロ」に誘発されての「オテロ序曲」。

第2部
作曲家51歳の年、ニューヨークに新設された
音楽院の院長に要請され、
就任約3年にわたる渡米中に書かれた「チェロ協奏曲」。

第3部
祖国ボヘミアの民族色豊かな「交響曲 第8番」。

指揮は、2018年から首席指揮者を務める
セミヨン・ビシュコフ(ロシア)。

チェロ独奏は、第15回チャイコフスキー国際コンクールの入賞をはじめ、
世界的に活躍するパブロ・フェランデス(スペイン)。

世界屈指のオーケストラ チェコ・フィルと、
チェロの名手フェランデスの共演です。

演奏中の楽団員は、
スラブ特有の哀愁あふれるメロディーや、
激しく情熱に満ちたフレーズを、
時には微笑みを浮かべながら、
また体を揺らしての勇壮なパフォーマンス。

ドヴォルザーク、我が国民の誇り!
とばかり、全身からほとばしる熱演に、
会場の拍手は鳴り止まず、
終演には異例ともいえる2曲のアンコール。

ドヴォルザークの「スラブ舞曲」と、
彼の支援者でもあったブラームスの「ハンガリー舞曲」が演奏され、
熱いコンサートの幕が下りました。
    

さて、今回の演奏会で、
私が最も注目し、楽しみにしていた曲は、
「チェロ協奏曲」でした。

ドヴォルザークが生涯に残したチェロ協奏曲は、
「チェロ協奏曲 ロ短調 作品104」
この1曲(未完の習作は除いて)しかありません。

しかし、この1曲が、
ドヴォルザークのすべての作品の中で、
というばかりではなく、
クラシック音楽史に燦然と輝く、
チェロ協奏曲の名曲中の名曲と言ってはばからない、と私は思っています。

クラリネットの一見不安げな旋律に始まり、
ホルンの懐かしく優美な旋律が続き、
やがて独奏チェロの、威厳に満ちた主題が静寂を破り奏されてゆく・・・・
冒頭から快い緊張感を伴ってとでも言うべきか、
とにかく引き込まれてゆく感覚なのです。

第1楽章は、厳かで美しいボヘミアの民族色豊かな楽章、
第2楽章は、望郷の念(米国に滞在中の作品)が込められたロマン溢れた楽章、
第3楽章の終結部に至っては、
例えようのない音楽の世界が展開され、劇的な終わりを迎えます。

独奏者フェランデスは、
完璧なテクニックに加えて、極めて繊細かつ力強い演奏で人々を魅了し、
感動のステージとなりました。      

ドヴォルザーク作曲「チェロ協奏曲 ロ短調 作品104」 
チェロ独奏:パブロ・フェランデス

        

思い起こせば、
私がクラシック音楽を好きになったのは中学生時代でした。

その思いが高じて音大のチェロ科に進学し、
現在の音楽教室を創設して、音楽指導を仕事としてきました。
そのルーツは中学生時代にあり、
とりわけ演奏会には若い頃からよく足を運びました。

以来、65年以上にわたる数々の演奏会の中で、
今日なお忘れることができない演奏会がいくつかあります。
言わば、生涯の思い出とも人生の宝物とも言える演奏会、
その一つがこの度のチェコ・フィルです!

チェコ・フィルが初来日したのは1959年のことで、
日本の主要都市10箇所で計15回の公演が行われました。

大阪は11月6日と7日の二日間で、
会場は、フェスティバルホールです。

64年前、私は高校1年生でしたが、
なんとこの記念すべき
チェコ・フィルの初来日公演を、幸運にも聴くことができたのです。

しかも、
ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界」を、
名指揮者カレル・アンチェル(チェコ)
による指揮で、目の当たりにしたのです!

さらに演奏会後に、
巨匠カレル・アンチェル氏から自筆サインをいただき、
大感激したこと等々、心に刻まれた思い出は尽きません。

この感動は、
次回「チェコ・フィル初来日公演の思い出」
として掲載させていただきたく思います。

今回のコラムにお付き合い下さった方には、
心より感謝いたします。
       

コラム「珠玉の音を求めて」のタイトルの下に、
今回、初投稿しました。
今後も、音楽にちなんだ話題を、
思いつくままに書いていこうと思います。
お目通しくださる方がいらっしゃいましたら幸いです。
よろしくお願いいたします。

梅谷音楽学院 代表/梅谷邦彦

大阪府吹田市千里丘の音楽教室です。 幼児(3歳)からシニアの方まで、随時ご入会を受け付けています。 現在、個人レッスンによる「ピアノ」「声楽」「チェロ」「ソルフェージュ(視唱、聴音、楽典など)」の4科目を開講しており、初心者、経験者、趣味で楽しみたい方、また音楽大学・音楽高校を目指したい方など様々な生徒さんが在籍されています。 ご一緒に音楽を楽しみませんか。
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